初恋の人からの手紙
初恋の人からさやさんへお手紙が届きました。

さや、ひさしぶり。
もうモテる女性を「下品な女」と罵るクセは治りましたか?毎日のように言っていたさやをなつかしく思います。

喧嘩が増えてきて、さやが「もっと大切にしてくれる人と付き合う」と言い捨てたあの日から、もう8年が経ったんだね。月日が流れるのは早いものです。

手紙を書いたのは、とくに用事があるわけではないんです。ただふと思い出して懐かしかったので、思いつくままに手紙に書こうと思って。ふふ。驚いたかな?

今振り返って考えてみると、あのころのさやは、穏やかでかわいい雰囲気をかもしだしていたわりに自由人で手に負えなかったのを覚えています。天真爛漫でおれにも優しかったけれど、どうも自分だけのものにならないような歯がゆさをいつも感じていました。「あっさりした恋愛が理想だよね」ってさやに押し付けられたときには、なんとも言えない切なさがありました。

確かあのとき、さやにとってはおれが初彼氏だったかな?そうだったからか、最初のころのさやは自信なさげでしたね。「私左側を歩いたほうがいい?」「手より腕を掴んだほうがいい?」とか聞いてきて、少し面倒でした(笑)

付き合い始めのころ、さやは平気で「いつか結婚してあげてもいいよ」などと言っていましたね。あまりの強気(意地っぱり)に唖然としたけど、その気持ちは嬉しかったものです。今でもその話は有効なのでしょうか。

恋愛を総括して言えば、きっとおれはさやと付き合うことができてよかったのだと思います。いつもどこかにいってしまいそうなさやと付き合って、最終的には自分との戦いだということを学びました。

いろいろ書いたけど、おれはさやのことがそれでも好きでした。これからもさやらしくいられるよう、それと、そろそろゴキブリを素手で殺すのはやめて(笑)、幸せをふりまいてください。

またいつか会いましょう。では。

P.S. おれの歯がくさいってみんなに言いふらしていると聞きました。本当ですか?
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